
勉強のしかたがわからない。
よく聞くお悩みです。
「学問に王道なし」ということば通り、なにかを学ぶのに早道はありません。
本屋さんに行けば、「勉強の方法」を説く書籍がたくさんならんでいます。
ほかにも「ダイエット」に関する本や「自己啓発」に関する本なんかもたくさんならんでいますね。
たくさんならんでいるということは、ズバリこれ! というような決定的な方法は「ない」ということを意味します。言い方を変えれば、自分に合った方法は、千差万別だということです。
ここでは、勉強の方法を指南するのではなく、「効果的でない勉強方法」について列挙してみたいと思います。学力的に伸び悩んでいるお子さまのほとんどが共有している「悪癖」でもあります。
①学校のワークなど、解答解説を写しておしまいになっている。
②学校のワークなど、とりあえず実施だけして、丸付け・直しを後回しにしている。
③前学期のワークのやり残しを、そのままにしている。
④理科や数学など、図や途中式を書かず、答えだけをノートに書いている。
⑤国語や英語などの語学系の学習で、いっさい音読をしない。
①は、ワークやノートが文字で埋め尽くされるので、自分でも勉強した気になってしまいます。でも、わからなかった問題は、解答解説を見たあとで、少し時間をおいてから再実施してみないと、ほんとうに理解できているかどうか確認しようがありません。一度触れた問題を、確実にできるようにすることが大切です。①が習慣化してしまっている人は、市販の参考書をたくさん買いがちでもあります。参考書が増えるほど、正しい勉強法から遠ざかっていると思いましょう。
②では、自分の弱点ポイントが見逃されてしまいます。実施した問題は、すぐに正誤を確認して、間違っていた場合は、どこが間違っていたか、その場ですぐに確認して、メモを取るようにしましょう。
③は、内申に大きくかかわります。中には前に出された宿題が未了の場合、期日を過ぎた時点でリセットされると思い込んでいるお子さまが少なからずいらっしゃいます。それは大間違いです。学校の先生は、たとえ期日に間に合わなくとも、後日きちんと完了して提出された宿題に対しては、努力評価をしてくれます。そのまま放置では、「4」以上はもらえません。
④は、自分がどこを間違えたか、たどり直しができないという点で、効果が期待できません。また、じっさいの入試では、設問の図がわざと不正確に書かれている場合があります。自分で正確に作図してみることで、解法の糸口がつかめることもあります。ですから、ノートへの作図は必須といえるでしょう。また、数学で得点できない人は、計算のミスで失点している場合が少なくありません。筆算も含め、順序だてて計算式を残すようにしましょう。ノートは自分のためにとるものです。
最後の⑤ですが、私たちがどのようにして母国語を話せるようになったか、その過程を考えれば、その重要性は明らかです。文字のみでは、語学の学習は達成されません。まずは声に出して発音すること。あわせて耳が刺激されることで、定着も深まります。
勉強における「大敵」は、「勉強した気になる」ことです。自分にだまされ続けると、「悪癖」が定着して、なかなかそこから抜け出せなくなります。上記①~⑤のうち、ひとつでも当てはまる人は、いますぐに改善しましょう。
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